ひと呼吸のチカラ
焦ったときに、一呼吸。
怒りをぶつけそうなときに、一呼吸。
集中したいときに、一呼吸。
大事な場面で、私たちはよく「一呼吸おいて」と言われます。それは、自分を「今ここ」に引き戻すためのスイッチ。ヨガをする前から、たくさんの大人にそう教わりました。でも、私はそれがよくわからなかった。人前で間違えるのが恥ずかしくて、手を上げて発表しない子供だった。ソロコンテストの本番では、心臓が飛び出しそうだった。卒業式で卒業証書を受け取る瞬間、自分の番が来るのが怖かった。あの頃の私は、「一呼吸おいて」と言われても、その「一呼吸」がどこにあるのかわからなかった。そもそも、自分の呼吸がどんなものなのか、意識したことがなかったのだと思う。
呼吸を知ることは、自分を知ること
今、ヨガをして、気づけば先生という立場になり、話すことや相談を聞くことが増えた。そんな中で思うのは、呼吸を知ることは、自分を知ること ということ。
- 心が乱れているとき、呼吸は浅く、速くなる。
- 緊張しているとき、息を止めていることがある。
- 穏やかなとき、呼吸は深く、ゆったりしている。
どんな呼吸をしているかを知ると、今の自分の状態がわかる。そして、一呼吸することで、その状態を自分で変えることができる。緊張しているとき、ふっと息を吐くだけで肩の力が抜ける。焦っているとき、ゆっくり息を吸うだけで心が落ち着く。怒りが込み上げたとき、間に深呼吸を挟むだけで、反応ではなく選択ができる。
「一呼吸おく」というのは、ただの習慣やマナーではなく、自分の心と体を取り戻すための、大切な技術なのかもしれません。
今も、ときどき焦るし、緊張もする。
でも、そんなときは「一呼吸おいてみよう」と思えるようになった。
呼吸はいつもそこにある。
そして、それを意識した瞬間から、私たちは自分を取り戻すことができる。
「一呼吸」で変わる、大人の選択
大人になると、子どもの頃に比べて怖いものが減る。緊張で心臓が飛び出しそうな大舞台も、よほど無理やり機会を作らない限りやってこない。でも、怒りという感情は、いつでもどこでも現れる。夫にイライラ。子どもにイライラ。価値観の違う人に出会うと、あちこちでイライラ。
怒りは、日常のどんな場面でも簡単に顔を出す。
でも、あるとき気づいた。
怒りが湧いた瞬間、呼吸も怒りモードに切り替わる。浅くなり、速くなり、胸のあたりがギュッと固くなる。そして、その変化に気づいた瞬間、私は冷静になれる。怒りが暴れ出しそうなときこそ、呼吸を調整すればいい。深く吸って、ゆっくり吐く。
それだけで、心が少し静まる。
大人になって、「一呼吸」を感じたことはありますか?子どもの頃はよくわからなかった「一呼吸おく」ということ。でも今は、その意味が少しずつわかってきた気がする。反射的に怒りをぶつけるのではなく、一呼吸おいて、どう対応するかを選択する。
その選択が、自分をより心地よい方向へ導いてくれる。そして、周りの人との関係も、少し穏やかになる。一呼吸おいて、素敵な大人の対応を選択できるといいなと思う。一呼吸おくことで、自分を取り戻し、心地よい選択ができるようになる。でも、それは頭で理解するだけではなく、実際に “体で感じてみること” が大切です。
ゆるまさるヨガ では、呼吸に気づき、その変化を丁寧に感じながら、自分自身をうまく取り扱う練習をしていきます。
焦りや緊張、怒りの波に飲み込まれそうになったとき、 “一呼吸” で流れを変えられるように。
ヨガの時間の中で、一緒にその感覚を探ってみませんか?